2026年10月2日金曜日

「SNS選挙時偽情報」

  昨日の『東京新聞』の特報欄は「SNS選挙時偽情報」でした。そこに保守系ユーチューバーの「地雷チャン」が紹介されていました。彼女は、沖縄県知事選の時「ついに沖縄は中国になってしまうのか」という動画をアップし、「玉城デニーに投票したら日本は終わってしまう」と呼びかけたといいます。

 わたしはXはまったく見ることもしませんから、この記事からしか判断できませんが、「沖縄は中国になってしまう」とか、知事がデニーさんなら「日本は終わってしまう」という言辞、これらは「偽情報」ではないのでしょうか。今までデニーさんが知事だったわけだから、その時期「日本は終わってしま」っいたのでしょうか。 

 こんなデマもどきの言辞に人々が躍らされているとするなら、それこそ「日本は終わる」と思います。

 ここに『ポピュリズムの仕掛人』という本があります(白水社)。そこにはこういう記述があります。

 「今日、憎悪を流布する人びとは、インターネットを利用して経済的な利益を得るようになった。」「ネット上では強い感情を呼び起こすコンテンツが重視されるため、穏健な意見の持ち主が注目を集めることは難しい。したがって、彼らならびに彼らを扱うネット・メディアは、満足のいく収入は得られない。」「聴衆を退屈させない」「今日、世界のポピュリズム運動の主要人物たちは、「連日、騒動を起こす」という原則に基づいて行動している。」(150~51頁)

 著者は、そこに「危険」を感じています。

「なぜ危険かというと、大衆の秘められた暴力的な欲動であるアニマル・スピリッツを解き放つことは比較的容易だが、これと逆の道を辿るのは、はるかに困難だからだ。」

 「恫喝、侮辱、人種差別的な発言、意図的な嘘、陰謀論などからなる彼らの政治スタイルは彼らが登場するまでは、数十年間にわたって政治システムの片隅にあった。しかし今後、こうしたスタイルが政治システムの中央に位置する。今日の若い世代は、政治を観察することによって反リベラルな態度やスローガンからなる国民教育を受けている。こうした教育は、彼らが大人になったときの態度に大きな影響を及ぼす。一度破られたタブーは簡単には修復できない。」

「彼らは何か新しいもの、おそらくさらに刺激の強いものを求めるはずだ。」(155頁)

 偽情報を流している者たちは、無責任な人物であると、わたしは思います。 

 流している情報そのものの真偽はどうでもよいということの無責任、その偽情報を第三者がどう受け取ってもよいという無責任。

 その無責任の上に、彼ら、彼女らは、カネを儲けているのです。カネのためなら、何をしても良い、という点で、詐欺師などと同列ではないかと思います。

 

2026年10月1日木曜日

「世界租税支出透明性支出」

  昨日紹介した『かわいそうな日本の私』に、重要な情報がありました。欧州の国際研究機関が公表した「世界租税支出透明性支出」によると、国際ランキングで、全104カ国のなかで、なんと日本は94位だというのです。

 国家財政から、地方財政から、企業が群がって補助金などをせしめようとしている姿は、ほとんど報道されないけれども、周知の事実であると思います。国家財政から甘い蜜を吸おうと、企業や自営業者は、経団連や日本商工会議所などに結集し、あるいは業界団体を組織して、カネや利権を引き出しています。

 そういえば、三菱が政府からばく大な補助金をせしめてジェット機(MRJ)を製造しようとしましたが、失敗して撤退したことがありました。しかし、三菱は補助金を返していません。

 日本の財政支出の特徴は、利権とつながっているということです。利権ですから、公になることはほとんどありません。沖縄の辺野古の新基地建設も、あれも巨大な利権です。

 ランキングで日本の位置が94位だということは、日本の腐敗度が高いということです。

 ちなみに、1位は韓国だとのこと。国民がきちんと監視している国家と、日本のようにメディアも国民も、政府や地方自治体を監視することをしない国との違いだろうと思います。 

2026年9月30日水曜日

【本】白井聡『かわいそうな日本の私』(ビジネス社)

  この本、奥付には発売が10月1日となっています。しかし、わたしは、今日読み終えました。

 たいへん面白い内容でした。面白い、というのは、要するに得るところが多い書物であるということです。紹介したい個所がいっぱいありすぎるので、少しだけ紹介します。

 末尾に、左派リベラルの実態への言及があります。「左派リベラルの人たちのなかには、何かに反対したり、何かを止めようとしたりする運動を展開するとき、すべての参加者が同じ世界観を持ち、同じ考え方でなければ拒絶反応を示す人々がいる。」(287頁)

 わたし自身、そのような運動に参加してきましたが、今はほとんど参加していません。ここに引用した志向をもった人々と接することがいやになってしまったからです。

 「統一戦線」ということばがむかしありました。今では、ほとんど死語になっています。考え方などが異なっても、この点だけでは一緒になって行動しよう、ということから運動をつくり出すということもしたことがあります。だも、これを維持するのは難しいのです。わたしには属する政治的な団体や組織はないのですが、そうしたところに属している人の中には、「この点だけ」ではなく、あれもこれも入れようとするのです。「同じ考え方」への同調を求めてくるのです。 

  また、運動する人たちの中には、「俺が、俺が・・・」という人もいます。いかに自分自身が運動の中で中心的なことをしてきたのか、あるいはすごいことをしてきたのかを自慢する人です。 

 いやですね。 

 だから今は、完全にone of them 、つまり個人として参加し、わたしのことを知らないような人たちのなかに混じって動く、という運動だけ、参加します。ということは、地元の運動には参加しないということです。

 この本を読んでいると、そのとおり!と思うところがいっぱいあります。白井さんは、かなり忖度することなく鋭く批判をしています。このような自由な批判を行うことはとても大切なことだと思います。

 「中道改革連合」を結成した中心人物に、野田佳彦という人がいます。この人について、「野田佳彦氏は旧民主党を二度までも壊滅させた(括弧内略)咎を責められがちだが、「野田氏は、本当は自民党の秘密党員なのだ」と仮定するならば、この上なく優秀なスパイである」(242頁)と書かれています。今まで、自由民主党にいた方がフィットするのに、なぜ民主党なんかにいるのだろうと思っていました。白井さんの指摘通りだとするなら、理解できます。

 この本、付箋だらけです。1900円+悪税で、そんなに高い本ではありません。読んでみたらいかがでしょうか。

 

 

2026年9月29日火曜日

人口が減る

  今日のニュースに、「総人口2.5%減、1億2297万人 外国人384万人で過去最多 25年国勢調査」というものがありました。

 この人口減少は、将来の日本のありかたを決めると思います。とにかく、子どもの数が減っているのですから。近所の小学校は、軒並み、学級数が減っています。あるいはあちこちで、小学校の統合や、小学校と中学校を合体させるということも行われています。

 なぜ子どもが、こんなにも減ってきたのでしょうか。

 わたしは、財界の責任が大きいと思っています。

 ここに、『東京新聞』の「非正規増やす95年提言 作成者/「経営者 人の大切さ忘れた」」という記事のコピーがあります。

 1995年、日本経営者団体連盟(日経連、現在は経団連)が「新時代の日本的経営」という報告書をまとめました。

 当時は円高でした。輸出企業などが困っていました。円高のために、日本の労働者の賃金を国際的に比較すると相対的に高くなっていたからです。だから、労働者の賃金を下げたいという欲望が高まり、日経連は、労働者を「長期蓄積能力活用型」、「高度専門能力活用型」(専門的な能力を持つ人)、「雇用柔軟型」(ふつうの労働者)にわけ、「長期・・・」だけを正社員として 、あとは非正規雇用にしようと提案しました。

 経団連などはこれにとびつき、政府にそれを実現させようとしました。その結果、徐々に非正規が増やされ、小泉純一郎内閣のとき、自動車など一般製造業に非正規を雇用しても良いということになり、一挙に非正規の雇用者が増えました。一般企業は勿論、教育現場や役所などでも非正規は増えていきました。正規雇用は増やさず、非正規で賄うという形態が一般化しました。

 もちろん非正規は給与が少なく、正規なら昇給もありますが、非正規はそうしたことがほとんどなく、低賃金のまま働き続けるしかありません。その結果、結婚も出来ず、したがって子どももつくれませんでした。それがもう30年以上続いているのです。

 だから、わたしは、少子化の原因をつくったのは、財界と政治家だと思っています。ということは、現在の経済的な衰退も、彼らの責任だと思っています。

 労働力が足りない(それはあらゆる現場の声です)ということから、外国から働く人を招くようになりました。でも、あくまで外国人は低賃金労働力としてのみ日本国内に置くのです。

 ここでたいへんなことが起きています。日本経済は、外国人労働者に依存しなければ立ちゆかなくなっているのに、高市某は「排外主義」的な政策を強化し、外国人にとって住みにくくするというアホな政策を強めています。

 これらに貫かれているのは、日本人の労働者でも、外国人労働者でも、財界は労働者は低賃金でなければならないと考えているということです。使い捨て、とも言えます。

 そうしたやり方が、日本を衰退させてきました。

 冒頭の記事の中で、この報告書を書いた成瀬健生さんは、「私が日経連でお付き合いした経営者はもっと人間を大事にしていた。今はお金だけためて人間を育てることを忘れてしまった」と嘆いているそうです。

 でも、そういうシステムを提案したのは、あなたなんですよ。システムに沿って人間は動く(この場合は経営者です)のですから。あなたは罪作りなことをしましたね、とわたしは、この方に言いたいと思います。

 非正規を減らして、正社員を増やす、なんてことをどこもやっていないじゃないか。役所ですら・・・・

 人を雇う側が、人口減をつくり出してきたのです。

 

2026年9月28日月曜日

「パンダ外交」

  パンダは、子どもたちに人気があります。わたしも、何度か上野動物園に足を運び、可愛いパンダを見ています。でも今、日本にはパンダはいません。

 中国は、世界的に人気があるパンダを外交に利用しています。習近平さんは、今回パンダを2頭貸与するにあたり、「パンダは中米両国人民の友好の使者だ」と語ったそうです。

 貸与されたパンダがアメリカに到着したとのこと、アメリカはこれで6頭になったそうです。

 日本にパンダが貸与されることはあるのでしょうか。中国を過度に敵視し、対中国の軍備増強を急いでいる高市某が首相である限り、パンダが貸与されることはないでしょう。

  でもおかしな話しです。アメリカが台湾をめぐって中国と戦闘に入ったときが「存立危機事態」になり、日本の自衛隊も中国と戦うようなことを言っていましたが、でも、習近平がアメリカに到着した時、トランプは空港まで出迎えました。高市某がアメリカについたとき、誰もいませんでした。なぜか誰もいないのに、高市某は手を振っていました。あの写真を見たとき、高市某はおかしな人だと思いました。

 高市某は、「日米同盟の固い絆」などと言っていますが、アメリカは日本を属国だとみていますから、軽視される、軽視される。日本は、アメリカにとってATMですから、アメリカはカネを日本からむしり取るときだけは、いい顔をします。でも、今回の日米会談は、それがありませんから、トランプはいい顔をしませんでした。そうしたトランプに対して、媚態をつくってじっと見つめていた高市某に、わたしは気持ち悪さを覚えました。

 今、日本が先頭に立って、中国と戦う姿勢を示しています。でも、経済状態、軍事力の差などをみると、中国とは戦争なんか出来ないのが日本です。日本は、もはや先進国ではないのです。 人口が減るだけではなく、経済力も落ちています。己を知ることから、高市某にははじめて貰いたいですね。

 アメリカと一緒に中国と戦う?アメリカにはパンダが6頭いるのですよ。 

  

映画「山の郵便配達」

  ユーチューブの番組を見ていたら、脇にこの映画の案内があった。この映画は、過去に観たことがあり、とてもよかったという記憶があった。中国映画である。

 「山の郵便配達」 

 そんなに長い映画ではないし、ドラマティックな場面もない。ただ父と息子が、山の中の聚落を、郵便を配達してまわるというものだ。それも歩いて。

 でも、観ながら、いろいろな思いが湧きあがる。家族のこと、人びととふれあうこと、同時に、人びとと心を通わせること。 そして人間とは如何なる存在なのかについても考えさせられる。

 とてもよい映画だ。 

民泊政策の失敗

  昨日の『東京新聞』の第一面は、「東京全23区 民泊制限へ 国策「大量供給」地域にツケ」である。民泊が現在のように一般化し、また同時に問題が出て来たのは、2016年1月、安倍首相が施政方針演説で「外国人観光客三千万人を目指し民泊を拡大する規制改革を進める」と語ったことから、民泊が動き始めた。民泊開設に伴う数々の弊害(騒音、ごみ出し・・・・)の責任は、この安倍首相にあることを認識すべきである。

 現在もそうだが、「失われた30年」という自由民主党と財界の国民貧困化政策の中、日本の国内消費は伸びず、GDPも伸びない、そこで外国人に来てもらってカネを落として貰おうというさもしい政策であった。2017年「住宅宿泊事業法」が成立し、民泊政策が本格的に動き始めた。

 この民泊に関しては、民泊施設に必ず管理責任者が常駐し、24時間の対応を可能にすべきである。そうでなければ廃業させるくらいの厳しい指導が必要だ。日本国民のなかに外国人に対する嫌悪が広がっているように思われるが、政府や自治体が、カネ儲けをしたい人びとに対してのみ規制緩和を進めたことによる弊害がそれを生みだしたこともあるのではないか。 

 わたしが住む地域には、民泊というものはない。ありがたいことである。しかし我が家の裏にあるアパートには、外国人が住んでいる。今はフィリピンとカンボジアである。それまでもベトナム人などが住んでいた。

 アパート所有者は管理責任をまったくとらず、某住宅賃貸会社に管理を丸投げをしている。住宅賃貸会社も、まったく責任をとらない。こういう業種に関係する人びとは、カネ儲けができればそれでよい、という人が多いようだ。

 ではごみ出しルールの告知は誰がしているかというと、私たち住民がやっている。カンボジアから来た青年たちは、近くの野菜をカットする会社に勤務している。彼らに何度も接する中で、会社の幹部が名刺をもって会いに来た。初めてのことである。今まで、外国人を雇用する会社は、従業員が地域に問題を引き起こしていても、知らぬ存ぜぬだった。

 外国人なしには、日本はすでに成りたたなくなっているのであるから、雇用する会社は、地域住民との間に摩擦が起きないように対応策をとるべきである。 

 総じて、日本国家の外国人政策は、一面では低賃金で働く労働者、他面ではカネを落とす旅行者、まさに外国人を人間としてではなく、カネにまつわる手段としてしか位置づけてこなかった。 それが民泊問題にも表れているように思う。その背景には、財界や業界団体の要求だけに耳を傾け政策を展開してきた政府の利権体質がある。

 人びとが、日常的に政府や自治体が行うことをしっかり監視することをしないと、この国は悪くなるばかりである。