2026年10月30日金曜日

ロシア連邦保安局に連行された北海道新聞記者

  ロシアという国家は、ひどいことをする。プーチンに敵対する人びとを、たとえ外国で生活していても、暗殺するという暗黒国家である。プーチンには、ソビエト連邦時代の恐怖政治の担い手としての血が流れているのだろう。

 北海道新聞記者は、任期を終えて帰国する前日に、ロシア連邦保安局に逮捕された。逮捕の様子はテレビカメラで撮影され、ニュースとして放映されたそうだ。過去には、ウオールストリートジャーナルの記者が逮捕されている。諜報活動に携わったことはなく、突然のまったく理由のない逮捕だった。その記者は、のちに諜報活動を行い、刑法犯を冒し、刑務所に収監されていたロシアの諜報員と交換されて解放されたという。

 今回も、ロシアはそれを狙っているのだろうか。人権とか民主主義が軽視されているロシア、長期間「社会主義国家」として独裁者により支配されていたロシア。

 ロシアは危険な国だと、世界の人びとは認識することだろう。

 わたしの青春時代は、ロシア文学と共にあった。ドストエフスキー、チェーホフ、プーシキン、ツルゲーネフなど、いまも書庫に並んでいる。

 最近、ソ連が崩壊する過程について勉強しているが、そのなかで『現代思想』2014年7月号、「ロシア」特集号のなかの亀山郁夫の、

 「ロシアの人々は、どのような専制主義のもとでも限りなく自由に暮らすことのできるしたたかな能力を持った人たちなのです。」「もし、強権が存在することがなかったなら、ロシアの文化はその固有性を失い、現代の文化の中で一定の役割を保持することは困難になったとみてよいのではないでしょうか。それは苦しみをも生む権力であり、ドストエフスキーの苦悩もそこから生まれたものです。このような考えは強権の肯定ではありません。強権の宿命性を私は言いたいのです。」 

 という文に、一面なるほどと思いながら、他面ではそれはないだろう、と思った。

 「20世紀ロシアの優れた芸術は、弾圧のなかで生きのびるための戦いのなかから生まれたのです。」

 国家権力の理不尽な暴力のもとに、多くの芸術家は、すばらしい作品を残した。音楽でも、チャイコフスキー、ラフマニノフなどがいた。

 ロシアという国家に、わたしは怒りを持っているが、しかしそのロシアの文化、芸術には敬意をもっている。なぜそういう芸術家を生みだしたロシアが、今なお強権をふるって、多くの人びとを苦しめるのか。 

0 件のコメント:

コメントを投稿