2025年6月18日水曜日

「喰われる自治体」

  最新の『週刊東洋経済』の特集が「喰われる自治体」だったので、購入した。しかし期待外れであった。

 わたしが住む浜松市が、長い間、SUZUKIのトップ鈴木修によって支配され、彼の言うとおりの行政が行われてきたことから、自治体問題に関心を持ってきた。

 現在静岡県で問題になっている県営野球場の建設問題も、鈴木修の要請に基づくものである。SUZUKIには陸上競技部がある。浜松市には陸上競技場があるが、世界大会が行われるほどの設備は持っていない。そこで、鈴木修は、陸上競技場に隣接する市営球場をなくして陸上競技場を拡張してつくりなおし、大会ができるようにしたいという願望をもった。そのためには、市営野球場をどうするかが問題となり、浜松市には新たな陸上競技場をつくらせるから、野球場は県につくらせれば良いと考えたのである。

 現在の競技場、野球場は、遠鉄西鹿島線の駅から徒歩圏内にあるが、計画されている県営野球場の位置は遠州灘の海岸沿いにあり、交通アクセスは最悪である。市民には、したがって評判が悪いし、そんなところに計画されているから、野球以外に使用することはほとんどない。またそこは海岸に近く、この地域、冬には強い季節風が吹くから(遠州のからっかぜ)、冬の野球には適さない。 そんなところに強引につくらせようとしている。

 このように、大企業のトップが市政を思うがままに動かすという事例があるので、わたしも自治体問題に関心を持っているのだが、しかし、同誌には、紙幅もあるのだろうが、自治体を食い続けるNTT、コンサルタント会社に食い物にされる自治体(自治体は新自由主義的改革で、正規職員が大幅に減らされ、非正規に頼るなかで、人員が足りない状況が続いている)、他地域の大企業に食い物にされる自治体、中央官僚の天下り問題が取り上げられるだけで、こうなった背景などへの分析がない。

 やはりこういう問題については、雑誌ではいくつかの事例を報じるだけで、深く掘り下げることはできないのだと思った。関心をもって購入したが、期待外れであった。

 

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