『世界』12月号は、読み応えがあり、読みながら考え、ひとつの文を読み終えて考え・・・というように、なかなか時間がかかる。
「ふたつのジェノサイド」(駒林歩美)という文を読んだ。ナチスドイツのホロコースト、ソ連などスラブ民族への侵略、その「先駆け」として、ハンブルク大学のユルゲン・ツィンメラー教授は、ナミビアでのヘレロ族、ナマ族に対する大量虐殺・ジェノサイドがあると指摘しているという。
そしてドイツでは、「ホロコーストとは独特」で、「反ユダヤ主義は他の人種差別とは違う」として、「ユダヤ人とホロコーストについては責任を認めても、それ以外には適用できない」とする。それだけではなく、「ドイツによる植民地支配は現地に良い結果ももたらした」という言説もあるという。この言説は、日本にもある。植民地支配という「悪」を、少しでも消そうという腹黒い発想だと、わたしは思う。
この文を読みながら、ドイツだけではなく、戦争ばかりやっていて武器だけを発達させたヨーロッパが、その発達した武器を持ってアジア、アフリカ、ラテンアメリカなど非西欧地域に「帝国主義国家」として侵出し、それぞれの地域で、ジェノサイドを展開した、そういう歴史を持っている。ドイツだけではない、西欧諸国は、そしてそれを真似した日本も、そうした歴史を大いに反省すべきなのだ。
人種差別、植民地主義、帝国主義・・・、これらは過去のものではなく、まさにいま目の前に繰り広げられている現実であり、一度は批判され、否定されたこれらが、いままた復活しようとしている。
悪いことは悪い、植民地主義は悪いことであった、人種差別はしてはならない、これは正しいことだ。正しいことを主張し、悪いことは悪いのだと言い続けることが大切だと思う。そして過去それぞれの国家が行った悪事を忘れてはならない。悪事は悪事なのだ。悪事は繰り返してはならない。きちんとした判断は維持されなければならない。
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