浜松市議会議員の定数削減の議論が行われている。削減する場合、人口の少ない天竜区となる。天竜区は、旧の天竜市、龍山村、佐久間町、水窪町、春野町の地域によって構成されている。
平成の大合併によって、これらの市町村の他に、浜北市、引佐町、細江町、三ヶ日町が消えた。旧浜北市などは、浜名区に統合された。
当初、地域の自治を尊重すべく、区は7つあり、旧市町村には地域協議会が置かれ、住民自治への配慮があった。ところが、浜松市政を思い通りにしたい故鈴木修が「区をなくせ」と主張し、浜松市に行政改革審議会をつくらせ、それでも市長がいうことを聞かないからと、市長選で別の候補者を押し立てて当選させ、やっと区を三つにさせた。故鈴木修の言うがままに動いていたのが、現在の鈴木静岡県知事である。
区が三つになったら、今度は議員の定数削減である。旧浜松市は中央区となり、人口は多い。
静岡県の西部は、平成の大合併が「成功」した地域である。天竜川以西には、浜松市と湖西市しかない。以前は、4市7町1村あった。それがたった二つ。
この大合併が行われる前、わたしは合併に反対していた浜松市議会議員とともに、周辺の町村を訪問し、議員等との話し合いをもったことがある。彼らの関心は、大きな都市と一緒にならないと社会保障などが危機に陥る・・・などと危機感をもっていた。財政的には難しいことはあるかもしれないが、それでも、地方自治というのは、小さいほど実効性ある施策が展開できること、大都市に合併すると人口はさらに減っていくことなどを話した。しかし、地方自治のあり方のあるべき議論よりも、彼らの危機感は、おそらく煽られたのだろうが、無視できないほどだった。
さて合併したあと、様々な変化が生まれてきた。各市町村におかれていた企業の出張所が閉鎖され、人口は減った。役場の職員も減った。大雨などで道路が通れなくなったときに、従来なら静岡県が行っていたことを政令指定都市・浜松市が担うようになり、工事が遅くなった。国保料があがった・・・・いろいろな声がでてきて、合併しなければよかった、という声も聞こえるようになった。
さて、今回の市議会議員の定数削減は、 「各区の議員1人当たりの人口で比べた1票の格差は、天竜区は他2区に対して2倍を超えている」ということから、天竜区の定数、現在3をまず減らす方向を考えているようだ。天竜区はもちろん異議を唱えるだろうが、しかしこのようなことは、合併前に予想できたことである。
長野県をみれば分かるが、今でも町村はたくさんある。静岡県でも東部は、町が残っている。県西部の人びとは、中央の施策に従順なのだろう。素直に従ってきたということである。素直にしたがえば、どういう結果が生じるか、ということである。
住民自治は、自治体が小さければちいさいほどよい、のである。合併を促進する理由は、いつでも財政と行政の効率化である。
効率化により捨てられるものは多いことを肝に銘じるべきである。
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