自動車産業最優先の政策の下、国民の所得が30年間、まったく上昇しなかったこと、また円安にともなう物価高で国民の生活が困難を極めている中、減少した国内需要を外国人観光客に依存しようとする政策が展開された。
どこに行っても、外国人観光客が来ている。それは許容できることだが、しかしこういう政策は、まったくもって迷惑である。
スーツケースやマットレス…「生活感のない不自然なごみ」が教える"闇民泊"。新宿で見た《民泊の実態と民泊からのごみ問題》
「インバウンド」ということばが使われるようになって久しいが、政府がこうした「民泊」の「自由化」を行ったことから、住民との間に摩擦が生じている。
また、「米がない!」というなか、農水省はその理由としてインバウンド需要が高まったことを挙げていた。
米を主食とする国民が米を買えないのに、外国人観光客には米を提供する。国民が怒るのは当然である。
排外主義的な政策を掲げた参政党が躍進したのは、自民党・公明党政権によるこうした「今だけ、カネだけ、自分だけ」という、とにかく外国人からもカネを儲けられたらいいじゃないかという近視眼的な政策が、次々と展開されたからである。もちろんそうした施策を考え出したのは官僚であろうが、官僚も先の見通しをもたずに行き当たりばったりの政策を打ちだし、とにかくカネが儲かればいいのだろう、というアタマの悪い施策をつくりだした。
外国人労働者も増えている。わが家の裏のアパートにも、外国人が住んでいる。しかし、彼らは長く住むのではなく、人が替わっていく。その度ごとに、わたしも含めた近所の住民がごみ出しのやり方を教える。なかには、それを無視する人もいる。
これは、日本の産業界が、日本人の少子化に伴い、労働者が不足しているために、安価な労働力を海外から導入すればよいという政策の結果である。
日本人を正規で雇用し、適正な給与を払っていれば、人びとは結婚し子どもを育てるという生活を営んでいたはずである。産業界の低賃金政策に照応し、派遣労働などを合法化し、また国や自治体も「会計年度職員」という制度を編み出し、公務労働に於いても低賃金労働者をつくり出している。そうした低賃金政策が、「魔の30年」をつくりだしたのだ。
現在の日本の難局は、経団連などの産業界と、自民党・公明党政権とがつくりだしたものである。その結果が、排外主義的な政治勢力の台頭につながったのだ。
そのような政権を支えたのが、利権政治である。とくに産業界などにカネをばらまき、あるいは中抜きさせ、税金をまけてあげ、業者の歓心を買い、選挙で票を集めてきた。国民の税金は、利権政治につかわれているのである。利権政治をなくすためには、政府の懐に確実に入ってくる消費税をなくすことがいちばんの近道ではないか。
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