昨日の『東京新聞』に、政治学者の宇野重規氏の「「推し活」を恐れるな」という文が載っていた。その最後の文は、
「推し活」を恐れすぎてはならない。民主主義がそれを使いこなすための工夫が、いま求められている。
しかし、である。その「推し活」は、カネによって大きく左右される。高市某を「推し活」の対象となるようにしたのは、多額の広告費である。それは篠田博之さんがコラム「週刊誌を読む」で、『週刊プレイボーイ』、『週刊新潮』の記事をもとに書いているのだが、「自民党広報本部の広報戦略局には、大手広告代理店の社員が常駐し」、「公示の一週間前から」協議が始まり、「会議には、広報本部や選対本部、組織運動本部の職員に加え、代理店の社員も参加します」、そしてばく大な再生数を稼いだ動画には、「2億~3億」つかっていたそうだ。
そして『週刊新潮』の記事は、「若年層、無党派層を動かした風は“人為的に”作られたのである」で結ばれているという。
要するに、カネを持つ政党が「推し活」を推進するのである。このカネの問題を考えると、自民党はばく大な政党交付金を手にするどころか、パーティー券収入、経団連など経済団体からの政治献金、また業界団体からの献金など、ばく大なカネを集めている。これらは、本質的には“賄賂”の類であるが、その多額なカネが「推し活」に投入される。
「推し活」を恐れるな、といわれても、その背後に大きなカネが動いているのだから、どのようにしたら「恐れる」必要がなくなるかを示してもらいたい。
自由民主党の議席が三分の二をこえたというが、それをつくりだしたのは小選挙区制である。小選挙区制が導入されるとき、わたしは大いに反対した。しかし、山口二郎など政治学者、マスメディア、また最近亡くなった久米宏らが、導入することは「正義」であるかのように煽っていた。小選挙区制導入は、それが導入されると当選できなくなる日本社会党も賛成した。現在、日本社会党=社会民主党が最期のあがきをみせているが、社民党は消えていくことだろう。社民党は、みずからの政治基盤をみずから捨て去ったのであるから、消えていくのはやむを得ない。小選挙区制に賛成したことを反省することもなく、支援を呼びかける姿に、わたしはいつもシラケるのである。
年表を繰ると、現在の軍拡路線、憲法改悪への動きは、小選挙区制導入の頃から始まっている。
戦後、鳩山内閣が憲法改悪を目的に小選挙区制導入を画策したとき、「ハトマンダー」といわれて大いに反対運動が高まったという歴史がある。小選挙区制と改憲とは、密接につながっているのである。
護憲を志向する日本社会党が小選挙区制導入に賛成した動きをみて、これで日本社会党は終わると思ったが、その通りになっている。
改憲に反対する政治勢力が、国会で少数となった。その結果、どういう動きが起きてくるか。自民党のカネによって人為的につくられた「風」に吹かれて投票した人びとがその結果に驚くことはあるのだろうか。おそらくない。彼らは「風」にのって投票しただけだから、また「推し活」それ自体に責任は生じない。
これで、日本の富はアメリカに吸われていく。日本国民は、耐乏生活に耐えていかなければならない。
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