参議院議員選挙が始まった。おそらくテレビではその報道が過熱していることだろう。新聞はとっているので、新聞でも選挙報道が多くの紙面をさいている。
わが家は市の中心部から8キロくらい離れている住宅地にある。市議会議員選挙など当該自治体の選挙に於いては、多くの選挙カーが候補者の名前を連呼して通り過ぎるが、参議院議員選挙では、まれに選挙カーが喧騒をまき散らして通り過ぎるだけで、いつもの静かな日々である。候補者たちは、人の多い都市中心部でのみ、演説や握手を展開しているのだろう。
日本の選挙のいつもの光景は、そうした候補者名の連呼と、ときにポストに入れられている候補者のチラシだけが選挙中であることを示す。テレビも見ない、新聞も読んでいない人びとにとっては、選挙は遠い存在である。
外国の選挙では、ある候補者の当選を期待する人たちが家々を訪問して支持を訴えるのだというが、日本では禁止されている。その歴史は長い、日本に普通選挙法が成立した1920年代、当時の国家権力は、無産政党の議会進出を止めるために、戸別訪問を禁止した。無産政党の支持者たちはカネがないから戸別訪問などで有権者と接触するしかなかったから、それを禁止したのである。今もその構造は変わっていない。
さて、昨日届いた『週刊金曜日』の雨宮処凛さんの「風速計」に、なるほどと思われる内容が書かれていた。
「普段は美容や整形やコスメの話題のみのアカウント。これまでいっさい政治的発信などしていなかった女性たちが、この頃突然、このままでは日本はヤバい、外国人から日本を守らなければと訴え始めたのだ。そうして突然、「日本人ファースト」を掲げる参政党の姿が現れるようになったのである。」
雨宮さんは、その背景をこう書いている。
「「失われた30年」の中、先進国で唯一賃金が上がらない日本。3年にわたって続く物価高騰の中、昨年からは米まで手に入らなくなった。これほど生活が苦しいのに、外国人観光客は自分たちには手が出ないものを「安い安い」と喜んで消費している。そしてメディアでは、「中国系オーナーが突然東京・板橋のマンションの家賃を2.5倍にし、民泊に転用」などと報道されている。少し前からは、SNSで「川口のクルド人」の話題をよく見るようになり、アメリカでは、移民取り締まりに抗議するデモ隊に州兵が派遣され、大変な騒ぎになっている。このままでは、日本はわじわじわと外国に「侵略」されてしまうのではーー」
確かに自民党・公明党政権が財界・大企業と手を組んで、「今だけ、自分たちだけ、カネだけ」という利権政治を展開してきた結果、日本の人口は激減し、労働力不足に陥り、日本の庶民は生活苦に遭っている。その一方で、労働力不足を補うために外国人を引き入れ、また生活苦にあえぐ日本の庶民の購買力低下を補うために外国人観光客を招き入れている。そして賃金が上昇し続けてきた外国人が、土地やマンションなどの不動産をも購入するようになった。
「不安」が庶民のなかに湧きあがるのも当然である。
財界と手を組み、自民党・公明党政権が展開してきた庶民にとっての悪政は、日本人のプライドを揺るがしながら、庶民の生活苦をつくりだしてきた。そして外国人がみずからの生活圏内に入り込み、なかには優雅な生活をしている姿を見せ、あるいは、車を違法改造し騒音をまき散らしながら走っている迷惑系の外国人もいる。
日本人に良い人も悪い人もいるように、外国人にも両方いるのだが、目につくのはそうしたルール違反をする外国人たちである。
今、日本の庶民は、「不安」を抱えながら生きている。その「不安」にどう対処するのか。自分たちだけの利権に奔走している自由民主党や公明党には解決策はない。参議院議員選挙でどのような結果を生みだすのか。
無理かもしれないが、「不安」をつくりだした者たちに鉄槌を加え、その「不安」が少しでも軽減されるようなことになればよいと思うのだが、果たしてどうなるか。何しろ、日本社会全体に、長年の自民党・公明党政権によってつくりだされた利権が無数に張りめぐらされ、日本社会を閉塞状態にしているのだから。
その閉塞状態に少しでも穴が開けられたらと思う。
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