2025年6月23日月曜日

アメリカ人のDNA

  トランプが、暴虐極まるイスラエルのイラン攻撃に続き、核施設だというところを空爆したという。イスラエルの攻撃を、5日前、G7は「イスラエルの自衛権を支持するとともに、イランの核兵器保有を「決して容認しない」との立場を強調」したというから、基本的にイスラエルが行った攻撃を容認した。

 以前も書いたことがあるが、イスラエルをあの位置に置いた理由は、キリスト教世界・白人どもが「野蛮」だとみなすイスラム教徒を監視し、ときには牽制する役割を果たさせるためであった。だから、G7は、イスラエルを、どのような蛮行をしようとも、サポートするのである。

 さて、イスラエルに続いてアメリカ・トランプ政権もイランを攻撃した。

 アメリカ合州国という国家の歴史を振り返ると、つねに独善的な思考の下、支配領域を拡大してきた国であるということだ。アメリカ大陸には、私的所有権のない自由な大地に、西欧キリスト教徒が「インディアン」と名づけた人びとが生きていた。西欧キリスト教徒は、まずイギリスからの移民が、そして西欧、中欧、東欧、ロシアなどからの移民が大挙やってきて、「インディアン」を欺し、殺戮して、領土を拡大していった。西漸運動である。いずれもキリスト教徒である。 

 「インディアン」を蹴散らして西へ、西へと進む際、彼らの脳裡には、彼らだけの「正当性」があった。マニフェスト・デスティニー(「明白なる運命」)である。1845年7月号の『Democratic Revue』に載せられた「年々増加していく幾百万のわが国民の自由の発展のために,神によって与えられたこの大陸にわれわれが拡大するというマニフェスト・デスティニーの偉大さ……」と。

 メキシコ領であったテキサスにも多数の移民たちが入り込み、強引にメキシコからの独立を宣言し、そのあとアメリカ合州国はメキシコに宣戦し、カリフォルニアなどを強引に買い取った。さらにスペイン領であったキューバの中で独立運動が起こったとき、それを支援するという口実をもって、 メイン号事件(ハバナ湾停泊中の戦艦メイン号が謎の爆破、260人の死者
Remember Main )を契機に(ベトナム戦争時のトンキン湾事件を思い出す)、スペインに戦争をしかけて勝利し、グアム、フィリピンなどを獲得し、その際悪名高きグアンタナモなどを永久租借地として分捕った。

 また同じ時期、独立国であったハワイに多数のアメリカ人移民が入り込み、ホノルルに停泊中の米軍艦の力を得て革命を起こし、ハワイ併合を推し進めた。

 大陸にやって来たヨーロッパからの移民らは、このように、「神によって与えられたこの大陸」という独善的な観念の下、暴力的に領土を拡大してきたのである。

 アメリカ人には、そうした独善性がある。その思考のなかには、「インディアン」や、労動力として「陸揚げ」された黒人奴隷を同じ「人間」としてみることはない。いわんやキリスト教徒ではない、日本を含めたアジアの人びとも同じ「人間」ではない。日本への原爆投下にも、そのような意識があったはずだ。

 アメリカの歴史を少しでも振り返ると、アメリカの独善性、暴力性を発見することができる。

 トランプも、そうしたDNAをもっているはずだ。トランプだけではなく、アメリカの為政者たちは、民主党であろうと共和党であろうと、そうしたDNAを背景に政治を行っている。

 また「明白なる運命」をしょったアメリカ人と、「神によって選ばれた民」としてのユダヤ人が住むイスラエル人とは、同じ思考があるように思える。

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